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2010年5月25日
■ 2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?
2ちゃんねるの初代管理人であるひろゆきこと西村博之氏。同じ年の有名人として、またインターネットのアイドル(?)として、
以前から彼の発言にはかなり注目していました。
この本はちょっと前の本ではあるのですが、
ちょっと時間ができたこともあり、あらためて読んでみました。
まず、読み終わって感じたのですが、驚くほど内容が古くなっていません。
ITに関する幻想、メディアとインターネット関係性など、
世の中で常識として考えられている内容について、
ひろゆき氏は一から論を積み重ねることで、まったく別の結論を導き出し、
それを「ふつうに考えればそうなる」とうそぶいています。
もちろん、社会情勢やネットを取り巻く環境などが変化していますので、
事実ベースでは古くなっているのですが、
そこに書かれている論に関しては、的を射ている部分が多く、
予言者なのではないか、と感じられるときすらあります。
それは、ひろゆき氏の意見が「至極まっとう」なためなのだと思われます。
裁判に出廷しないなど、エキセントリックな行動で注目を集めますが、
彼に言わせると(良いか悪いかは別として)きちんと理屈が通った行動のため、
少し気を抜くと、彼のほうが正しいのではないか、といったような気分になります。
特に、ブロガー、小飼弾氏との対談については、
双方が極論に近いことを論じているにもかかわらず、
どれも(これも良くも悪くもだと思うのですが)筋が通っており、
異様な説得力があります。
お互いわかって言っているのだと思われるところが、また絶妙です。
これに対して、評論家、佐々木俊尚氏との対談は、
常識的な論を展開する佐々木氏が、ひろゆき氏に
いいように翻弄されているようにすら感じられます。
以前、ひろゆき氏が2ちゃんねるに対して「嘘を嘘と見抜けない人が使うのは難しい」
という発言をしていましたが、本書もまさにそれだと思います。
ひろゆき氏が展開する「至極まっとうな論」を、きちんと自分の意見と戦わせられるか
きっとひろゆき氏は笑いながら試している、そんなように感じました。
ひろゆき氏が話した内容を文章としてまとめられていることもあり、
文体は平易で、決して難しい本ではないのですが、
読み終わった後は、激しい頭脳戦のあとのような心地よい疲労を感じました。
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投稿者 チカモチ : 2010年5月25日 23:58
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